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会計数値を事業運営に活用することの重要性の高まり
会計数値を活かせる基盤を手に入れたいと考える経営者が増えてきているのは何故でしょうか?
変化のスピードが速くなって注目される「企業の現状把握の力」
事業環境の変化のスピードが猛烈に速くなっている、人材採用難やAIなどの技術革新のスピードへの対応に乗り遅れれば立ち行かなくなるような時代に事業基盤の継続性を維持するには大きな変革をしなければという不安感、何より従来の延長線上での改革レベルでは追いつかないという漠然とした危機感などがあるかもしれません。

ただ闇雲に新しいものに飛びつけば良いというものでもない中で、しっかりとした現状把握を数値から読み解く力が企業の変革の第一歩だから、ということです。
顧問税理士はいるけれど
顧問弁護士や社会保険労務士への依頼していなくても、ほとんどの中小企業が顧問税理士とは契約しています。

それでもこれらの数値の管理の筆頭として顧問税理士が挙がってこないこともあります。
もしくは、「一度は頼ってみたけれど芳しいリアクションが得られなかった」という経験から「自社に数値を見る力」を持つことを検討し始めています。
中小企業にとって難易度の高い「会計の専門家」の採用
立ちはだかるコストの壁
中小企業において、「数値に強く、経営に貢献できる人材」を外部から採用することは、現実的には非常に難しい課題です。
一定水準以上のスキルを持つ人材は高年収が前提となり、採用コストも高額になります。

高スキル人材は人材紹介会社経由での採用が必須となります。
紹介手数料は年収の35%程度と言うのが相場です。
初期費用として200万円以上が発生するケースも珍しくありません。
手数料が無料のハローワークでしか人材採用を行ってこなかった企業からすれば二の足を踏んでしまうでしょう。
結局は「いい人がいたらそのうちに…」といったスタンスでいつまでも実現しないのかもしれません。
企業風土とのミスマッチによる早期退職のリスク
さらに、そうした高度人材が企業文化に馴染めず、早期に離職してしまうリスクも無視できません。
また、中小企業では経理業務そのもののボリュームが限られているため、専門性の高い人材を採用しても、その能力を十分に活かしきれないという問題もあります。
結果として、「宝の持ち腐れ」や不満の原因になることもあります。
新規採用ではない選択肢
だからこそ、既に社内にいる経理担当者を育成し、“経営の右腕”へと成長させるという発想が重要になります。
採用ではなく育成によって、企業に根付いた人材の価値を最大化することが、合理的な選択なのです。
スキルアップを成功させる前提条件
既存人材の育成は有効な手段ですが、誰にでも同じように機能するわけではありません。
まず重要なのは、対象となる人材の適性を見極めることです。
スキルアップの対象となる経理人材の適正
極端に現状維持志向が強い場合、新しい取り組みに対して強い抵抗が生まれ、プロジェクト自体が停滞してしまう可能性があります。
一言で言うと「何事も前向きに取り組む姿勢」のある人は多少不器用だったりしても成長が見込めます。
その逆に「何でも尻込みしてしまう人」は、どんなに素養があってもいずれどこかで破綻する可能性は高いです。
その場合は、別の人材に役割を切り替える判断も必要です。
モチベーションアップのために考えておくこと
また、スキルアップによって業務が高度化した場合には、それに見合った評価や報酬が得られることを事前に明確にしておくことが不可欠です。
努力しても何も変わらない環境では、人は変わろうとはしません。
場合によっては、教育に時間とコストを掛けた挙句にそのスキルを持って他社に転職されてしまいます。
成長と報酬が結びついていることを示すことが、挑戦への心理的ハードルを下げ、また持続的に自社に貢献してしてもらうための鍵となります。
中小企業の経理担当者のリアル
多くの中小企業における経理担当者は、決して能力が低いわけではありません。
ただし、その置かれている環境が成長を阻害しているケースが多く見受けられます。
経理担当者の憂鬱
例えば、上司が経理に詳しくないため、業務に関する疑問を解消できず、モヤモヤを抱えたまま日々の業務をこなしていることがあります。

また、新しいことに挑戦したくても、指導者や相談相手がいないため、不安が先行してしまうことも少なくありません。
さらに、業務負荷が高い中で新しい取り組みをしても評価に反映されないのであれば、「今のままで良い」という判断になりやすいのも自然な流れです。
経理担当者のスキル習得のヒストリー
中小企業の経理担当者の多くが経理業務に関するスキルをOJTによって習得されています。
過去に勤務していた会社での経験や現在の業務の経験をベースにスキルを磨いてきています。
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簿記の知識やエクセルなどのアプリケーションの素地は体系的に学習した経験はあっても会計の知識を学ぶ機会が少ない人が多いです。
それは、今まで「求められていなかったから」です。
会計理論や「会計データの使い方」について体系的な理解に触れる機会が乏しいのが実情です。
そのため、「出納業務」や「帳票を作ること」はできても、「その数字をどう活用するか」という視点が欠けているケースが多いのです。
経理事務から会計担当者への脱皮のプロセス
経理業務は4つに分けて考える
経理担当者の成長を促すためには、まず業務全体を俯瞰して理解してもらうことが重要です。
経理業務は大きく4つに分けることができます。
- 出納関連業務
- 記録業務
- 帳票作成業務
- 数値管理業務
多くの企業では、3つまでは対応できていても、最後の「数値管理業務」にはほとんど手が付けられていません。
しかし、経営に直結するのはまさにこの領域です。
まずは、「これからは数値を管理し、活用することが経理の重要な役割である」という認識を持ってもらうことが出発点になります。
段階的にスキルを引き上げる指導方法
実際の指導においては、いきなり高度な分析業務を求めるのではなく、段階的なアプローチが必要です。
まずは、現状の業務の中で「自信がない領域」や「疑問を感じている部分」を洗い出し、それを一つずつ解消していきます。
この“引っかかり”を取り除くことが、新しいチャレンジへの土台となります。
そのうえで、出納→記録→帳票→数値管理という順序でスキルを積み上げていきます。
業務負荷に対して配慮している安心感を持ってもらう
また、新しい業務に取り組むための時間を確保することも欠かせません。
日常業務が逼迫してしまうことに不安を持つ担当者は腰が引けて充分に学ぶ体制ができていない中で新しいことを詰め込まれても吸収することができません。
一時的に業務分担を見直し、学習と実践の時間を確保する必要があります。
会計レスキューでは経理代行をこのような不安の払しょくをするためにサポート体制を整えることも同時並行することが強みとなっています。
「やってみせる」実演型の指導法
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」という有名な言葉にある通り、まずは目の前で新しい方法を「実演」することが何より大切となります。
「こうすればいいんだよ。」と言われても初めてやることを見本も無く実践するのはハードルが高いものですから。
会計レスキューでは「ゼロイチ」の立上げ期に実務担当者が躊躇する場面を無くすために実演する伴走型の支援体制を重視して指導を行います。

“理解”を重視したカリキュラム設計
指導の際に重要なのは、「なぜそれを行うのか」という目的を理解してもらうことです。
単なる作業の追加ではなく、業務の意義を実感できるようなカリキュラムが求められます。
例えば、制度会計(特に税務会計)と管理会計の違いや決算書から何が読み取れるのかといった全体像から説明していくことで、個別業務への理解が深まります。
専門用語を詰め込むのではなく、平易な言葉で段階的に説明し、「暗記ではなく理解」を重視することがポイントです。
このプロセスを経ることで、経理担当者は単なる作業者から、思考する人材へと変化していきます。
社内に合った“数字の使い方”を設計する
最後に重要なのは、数値の活用方法を社内の実態に合わせて設計することです。
どれだけ高度な分析ができても、それが経営者や現場に伝わらなければ意味がありません。
「誰が、誰に、どのように説明するのか」という運用設計まで含めて考える必要があります。
経理担当者が作成した数値を、経営者に分かりやすく伝え、意思決定に活かす。
この流れが定着して初めて、経理は“経営の右腕”として機能します。
人を採用するのではなく、人を育てる。
その積み重ねこそが、中小企業にとって持続的な成長を支える基盤となるのです。
部門横断的なプロジェクトとして遂行する
経理担当者が会計領域についてスキルを磨いたら具体的な会計の改革に一緒に取り組むとスキルがどのように役立つのかを実感できて効果的です。
その際に単純に管理部門内の業務のやり方が変わるだけでなく他部門を巻き込んだ変更をしていく場合が多いかと思います。
そんな時に実務担当者だけに改革の旗振りを行ってもらうのは心理的ハードルはかなり高くなってしまいます。
会計に不慣れな上司の場合、どうしても任せきりになったり重要な決定を経理担当者に依存しがちです。
そんな時に一緒に伴走してくれる専門家がそばにいれば精神的な負担を軽減することができてプロジェクトがスムーズに進行できます。

会計レスキューでは、伴走型指導で改革プロジェクトの伴走までサポート致します。
